【町田対神戸】天皇杯決勝：FC町田ゼルビアが歴史的初優勝！前年王者を撃破

2025年11月22日

第105回天皇杯決勝「町田対神戸」試合結果速報と最終スコア

FC町田ゼルビアが悲願の初優勝！最終スコアと得点者は？

サッカー日本一を決める第105回天皇杯全日本選手権の決勝戦が11月22日、東京・国立競技場で行われ、J1のFC町田ゼルビアが、前年王者であるヴィッセル神戸を3-1で破り、クラブ史上初の天皇杯優勝を飾りました。これは、町田ゼルビアにとってリーグ戦、Jリーグカップと並ぶ国内主要タイトルを初めて獲得する、まさに「悲願」の達成となりました。

この歴史的な勝利における得点者は、FW藤尾翔太選手が2ゴール、MF相馬勇紀選手が1ゴールを記録しました。試合は序盤から町田の勢いが上回り、前半6分に藤尾選手が先制点を奪うと、同32分に相馬選手が追加点をマークし、2-0で前半を折り返しました。後半に入っても、町田は後半11分に再び藤尾選手が強烈なシュートを決め3点目を奪取。神戸も後半17分にFW宮代大聖選手が1点を返しましたが、反撃は及ばず、そのまま3-1で町田が勝利を収めました。

ヴィッセル神戸は天皇杯連覇を逃し、3季ぶり国内無冠に

連覇を目指したヴィッセル神戸は、FC町田ゼルビアの勢いに屈し、3-1で敗れる結果となりました。神戸は今季、リーグ3連覇も逃しており、今回の天皇杯での敗戦により、3季ぶりに国内タイトル無冠でシーズンを終えることとなりました。

神戸は、今大会の初戦（2回戦）を突破した後、3回戦から3試合連続で延長戦、準々決勝ではJ3のSC相模原にPK勝ちを収めるなど、苦戦を強いられながらも準決勝のサンフレッチェ広島戦を2-0で制し、2年連続で決勝に進出しました。しかし、決勝では町田の勢いを止められず、経験豊富な神戸らしくないパスやトラップのミス、中途半端なクリアが散見され、クラブ五つ目のタイトルへの望みは打ち砕かれました。

試合詳細：町田の歴史的勝利を決定づけた3つのゴール

【先制点】前半6分：FW藤尾翔太のヘディングで町田が試合を動かす

試合は立ち上がりから動きました。前半6分、町田は左サイドでMF中山雄太選手が深い位置までドリブルで突破し、クロスボールを上げます。これに1トップのFW藤尾翔太選手が反応し、頭で合わせたシュートがゴールマウスに吸い込まれ、町田が先制に成功しました。これは、国立競技場での大一番で、前半開始早々に痛い失点となった神戸に対し、黒田剛監督が選手たちに伝えていた「立ち上がりの15分で試合が決まる」という言葉を見事に実践する先制点となりました。

【追加点】前半32分：相馬勇紀がGKとの1対1を制しリードを広げる

前半は神戸もMF宮代大聖選手の個人技などを起点に攻勢をかけ、GK谷晃生選手のファインセーブに阻まれるシーンもありましたが、試合の主導権は再び町田が握ります。前半32分、町田のカウンターが炸裂。自陣でボールを奪った後、右サイドへ中村帆高選手がロングフィードを送ります。FWミッチェル・デューク選手が身体を張ってキープし、藤尾選手とのワンツーからスルーパスを供給。これに抜け出したMF相馬勇紀選手が、見事なトラップからドリブルで持ち運び、最後はふわりと浮かせたシュートで神戸のGK前川黛也選手との1対1を制し、リードを2-0に広げました。

【ダメ押し点】後半11分：藤尾翔太が豪快なミドルシュートで2得点目

2点を追う神戸は後半開始からエースFW大迫勇也選手を投入し、攻勢を強めます。しかし、流れを断ち切ったのは再び町田でした。後半11分、右サイドのスローインから相手のクリアミスを誘い、中山選手、林幸多郎選手とつないだボールを藤尾翔太選手が受けます。ペナルティアーク内から左足を一閃すると、強烈なシュートはGK前川選手の腕を弾いてゴールに吸い込まれました。この藤尾選手のこの日2点目となる豪快なミドルシュートにより、スコアは3-0となり、町田の勝利が決定的なものとなりました。

神戸の反撃：宮代大聖のヘディングで1点を返す（後半17分）

3点ビハインドとなったヴィッセル神戸も意地を見せます。後半17分、後半から左ウイングにポジションを移していたFW佐々木大樹選手が右足でクロスを上げると、FW宮代大聖選手が頭で合わせてゴール右隅に決め、1点を返しました。しかし、反撃はここまで。その後、神戸はさらに交代枠を使いましたが、町田の守備陣にシャットアウトされ、試合終了のホイッスルを聞くことになりました。

ハイライト：神戸・大迫勇也の後半投入後の影響は？

後半開始からFW大迫勇也選手が投入された神戸は、前線で起点が作れるようになり、攻撃の機会が増加しました。大迫選手はハーフタイム明けに他の選手より早くピッチに姿を見せ、サポーターから盛大なチャントを浴びました。後半5分には、大迫選手の意表を突くパスからFW武藤嘉紀選手がシュートを狙うなど、チャンスを演出しました。しかし、投入直後の後半11分に3点目を許してしまい、その後は町田の堅い守備を崩しきれず、決定機は限られました。神戸としては、大迫選手を投入したものの、町田の勢いを食い止められなかった点が悔やまれる結果となりました。

【スタメン比較】FC町田ゼルビアとヴィッセル神戸の決勝布陣

FC町田ゼルビアの先発メンバーとフォーメーション（3-4-2-1）

FC町田ゼルビアは、黒田剛監督の下で採用してきた3-4-2-1の布陣で決勝に臨みました。

ポジション	選手名
GK	谷晃生選手
DF	ドレシェヴィッチ選手、昌子源選手、望月ヘンリー海輝選手
MF	中山雄太選手、前寛之選手、林幸多郎選手、中村帆高選手
FW（シャドー）	相馬勇紀選手、ミッチェル・デューク選手
FW（1トップ）	藤尾翔太選手

この布陣は、守備時に5バックとなり堅固な守備を形成しつつ、攻撃時にはウイングバックの中山選手、中村選手が積極的に前線に絡み、藤尾選手を中心とした攻撃を仕掛けることを可能にしました。特に守護神の谷晃生選手は前半、神戸のシュートをファインセーブし、チームを救っています。

ヴィッセル神戸の先発メンバーとフォーメーション（4-3-3）

連覇を目指したヴィッセル神戸は、吉田孝行監督の4-3-3の布陣でスタートしました。

ポジション	選手名
GK	前川黛也選手
DF	永戸勝也選手、マテウス・トゥーレル選手、山川哲史選手、酒井高徳選手
MF（アンカー）	扇原貴宏選手
MF（インサイドハーフ）	宮代大聖選手、井手口陽介選手
FW（ウイング）	広瀬陸斗選手、武藤嘉紀選手
FW（中央）	佐々木大樹選手

神戸は、アンカーにMF扇原貴宏選手を置き、井手口陽介選手と宮代大聖選手が中盤を支え、攻撃陣は武藤嘉紀選手を中心に佐々木大樹選手が中央を務める布陣でした。しかし、前半に2点を失い、後半開始からFW大迫勇也選手を投入するテコ入れを行いました。

注目選手：町田・藤尾、相馬、神戸・宮代、武藤らの活躍

この決勝で最も活躍したのは、2得点を挙げた町田のFW藤尾翔太選手です。先制点となるヘディングと、試合を決める強烈なミドルシュートで、優勝の立役者となりました。また、2点目を決めたMF相馬勇紀選手も、カウンターからの冷静なシュートで勝利に大きく貢献しました。

一方の神戸では、FW宮代大聖選手がチーム唯一の得点を記録し、個人技でチャンスメイクも試みましたが、序盤の失点が響きました。FW武藤嘉紀選手は、豊富な運動量で攻守にわたって奮闘しましたが、得点には繋がりませんでした。

町田ゼルビア初タイトルまでの道のり：黒田剛監督の戦略と就任3年目の躍進

黒田剛監督が語る「立ち上がり15分」の重要性

FC町田ゼルビアの黒田剛監督は、試合直後のインタビューで、国立競技場でのファイナルという大舞台において「立ち上がりの15分で試合が決まる」と選手たちに伝えていたことを明かしました。実際に町田は前半6分に藤尾翔太選手が先制点を奪い、この序盤の優位性を確立しました。

黒田監督は、J1リーグ参戦2年目の新参者であるクラブがこの大舞台まで這い上がってきた背景には、サポーターを含めた「皆さんの思いが、本当に一つになって戦えたこと」があると語り、選手たちが早い時間の先制点と追加点を見事に実践してくれたことをたたえました。

町田が決勝で前年王者神戸を圧倒できた要因は？

町田ゼルビアが前年王者であるヴィッセル神戸を圧倒できた要因は、主にその勢いと、黒田監督の戦術が機能した点にあります。データベースからも読み取れるように、神戸はパスやトラップのミス、中途半端なクリアが散見され、「経験豊富な神戸らしくない戦い」に終始しました。

対照的に、町田は初の決勝進出という勢いに乗り、序盤からハイプレスで神戸を自陣に押し込みました。また、町田はリーグ戦で日本代表MF相馬勇紀選手やDF中山雄太選手といった大型補強を行い、黒田監督が志向するハイインテンシティかつ泥臭い「負けないサッカー」を徹底してきました。決勝でも、組織的な守備から効率的なカウンターを炸裂させ、神戸の強すぎる思いが気負いとなった隙を見事に突いた形となりました。

町田ゼルビアのこれまでのタイトル獲得歴は？

FC町田ゼルビアは、クラブ創設37年目にして、この天皇杯優勝が初の国内主要タイトル獲得となります。

過去には、プロサッカーリーグ参入前（Jリーグ加盟前）に以下のタイトルを獲得しています。

関東サッカーリーグ1部：2回（2007年、2008年）
関東サッカーリーグ2部：1回（2006年）
全国地域サッカーリーグ決勝大会：1回（2008年）
J2リーグ：1回（2023年）

この天皇杯優勝は、クラブが日本サッカーの最下位カテゴリーからJ1に到達し、初めてJリーグ3大タイトルの一つを手にしたという点で、クラブの歴史における金字塔を打ち立てたと言えます。

神戸の敗因は？「経験豊富な神戸らしくない戦い」の背景

ヴィッセル神戸の敗因として、記事のデータベースから「経験豊富な神戸らしくない戦いだった」という点が挙げられています。具体的には、パスやトラップのミス、中途半端なクリアが目立ち、町田の勢いに飲み込まれた形となりました。

また、今大会の神戸は、初戦突破後、3回戦から3戦連続延長戦、準々決勝はPK勝ちなど、苦戦を制して決勝まで勝ち上がってきました。この激闘続きによる疲労の蓄積も否定できません。選手たちは「タイトルを取り続けないといけない」と口をそろえていた強い思いがありましたが、それがかえって「気負い」となり、後半はボールを支配しながらも攻め急ぎ、決定機が限られてしまったことも敗因の一つとして指摘されています。

国立競技場での決勝：入場者数と過去の記録比較

天皇杯決勝「町田対神戸」の公式入場者数は何人？

国立競技場で行われたFC町田ゼルビア対ヴィッセル神戸の天皇杯決勝戦の公式入場者数は、31,414人と発表されました。

空席が目立った決勝戦：過去の天皇杯決勝（2023年、2024年）との入場者数比較

この決勝戦では、国立競技場の2層目・3層目に空席が目立つ結果となりました。

過去の国立競技場での決勝戦の入場者数と比較すると、以下のようになります。

2023年決勝（川崎フロンターレ対柏レイソル）：62,837人（歴代最多入場者数）
2024年決勝（ヴィッセル神戸対ガンバ大阪）：56,824人（関西勢同士の対戦）

今年の31,414人という数字は、2023年、2024年の決勝と比較して大幅に少ない結果となりました。入場者数が3万人台となるのは、2022年決勝（ヴァンフォーレ甲府対サンフレッチェ広島、日産スタジアム開催）以来となります。

国立競技場での天皇杯決勝の入場者数傾向

天皇杯決勝の入場者数は、対戦カードや開催地によって大きく変動する傾向にあります。

2023年の歴代最多記録は、首都圏近郊のクラブ同士の対戦（川崎対柏）であったことが要因と考えられます。
2024年の5万人超えは、関西のダービーマッチ（神戸対G大阪）が国立で開催されたことによるものです。

今回、FC町田ゼルビアは初の決勝進出、ヴィッセル神戸も遠方からの参戦となるため、集客面では過去の首都圏やダービーマッチと比べて伸び悩んだものの、町田ゼルビアにとってはクラブの歴史に新たな一ページを刻む記念すべき決勝戦となりました。